今はまだまだ人生を語らず

好きなことや思ったこと、気ままにひとり言を書いてみようかな。

偽ブランド時計購入顛末

 数年前から時計を購入し始めて、ロレックス、パネライ、オメガ、ブライトリングなどを20個ほど所有している。このたびゼニスに興味を持ってエルプリメロの購入を検討したが、資金が足りない。そこで、興味があった偽ブランド時計を買ってみようと思った。
偽ブランド時計というものが、どのような流通ルートを経ているのかわからないが、中国で作られているのか、中国資本で中国周辺で作られているのだろう。いくつかのサイトのうち、買えそうだと思ったのが、「スーパーコピー専門店×××」というサイト。


購入方法は次の通り

どうもやはり中国人のサイトは、日本語がでたらめ。
ゼニスのエルプリメロを注文すると、すぐに振込先を指定するメールが届いた。


 早速「××××」なる人物に送金したところ、次のメールが届いた。
「お世話様です、あなたの対応に感謝します、入金はすでに確認しました!商品発送後、当店は物流番号を送信いたします、よろしくお願いします。 (*^^*)」
最後の顔文字は何の意味だ!?不安が頭をよぎる。入金から「5日間~1週間で商品が届く」とホームページにあるので、楽しみに待った。10日待っても音沙汰がないので、問い合わせたところ、次の返事。
「分かりました、少し待ってください当店倉庫が催促中できるだけ早く発送しますよろしくお願いします」相変わらず意味不明。「当店倉庫が」は「当店倉庫に」の意味か?
さらに待ったが商品は届かないので、再び催促すると次の返事。
「お客様申し訳ない,コロナの影響により、少し待ってくださいよろしくお願いします」
この時点で2週間経過。やっぱり詐欺かなと半分諦めかけた。
そして3週間目に届いたメールがこれ。
「お世話様ですすみません、お待たせしました今,この商品:ゼニス コピー エルプリメロ クロノマスター1969 45mm 03.2520.4061/69.C714 ,品切れ、
当店の工場オーダーメイド中,大概は7月下旬に在庫があります
閣下にその他商品を変更するように提案しますよろしくお願いします」

 在庫があるというから注文したのに、3週間放置して在庫がないから他の商品に変更しろとは虫が良すぎる。当然返金を要求した。それに「閣下」ってだれのこと?
何度か返金を要求するメールを送ったが無視されたので、やむを得ずIWC、ロレックスなどの他商品候補を伝えて返品に了解する旨を送った。しかし、それからも商品は届かず、催促すると2,3日してから「もう少し待ってください」が送られてくるばかり。そもそも何が送られてくるのかわからないので、問い合わせると次の返事。
「Omega, Rolex  , IWC ようお願いいたします。(*^^*)」意味も不明だが、加えて腹が立つのがふざけた顔文字。
 もうこのやり取りも終わりにしたいと思って送った最後のメールは、Google翻訳で中国語にも翻訳した。それがこれ。翻訳された中国語が正しいかどうかはまったくわからない。
「今日で注文から1か月を経過しました。
貴社から商品は発送されず、数度にわたる返金の要望も無視されています。
また5月12日以降は、こちらからのメールに対しても返信がありません。
貴社は最初から私を騙すつもりだったのでしょうか。それについては返答いただきたいと思います。そうだというなら、騙された私が悪いのだと納得します。
自从我今天订购以来已经过去了一个月。
贵公司尚未发货,并且已忽略多次退款请求。
另外,在5月12日之后,我们将不会从此处收到对电子邮件的任何回复。
您的公司打算一开始就欺骗我吗? 我想听听。 如果是这样,我说服我上当了。」
 このメールが効果があったのだろうか、数日経って帰ってきたメールが商品発送通知。
「EMS(国際速達郵便)て追跡できます
お客様、商品はすでに発送して一週間くらいにお宅に到着できます、 ご査収して下さい。
3~6日後、追跡
EMS番号:  LZ0956…CN
・日本EMS検索: http://www.post.japanpost.jp/
有難う御座います。 以上」

 このメールの11日後に商品が届いた。届いたのはロレックスデイトナのコピー。
箱は汎用品で、保証書やタグの類ももちろんない。ただ時計だけ。ねじ込み式のりゅうずをひっぱって自動巻きゼンマイを巻き上げてみる。ジャリジャリというような感触が気持ち悪い。秒針が動いているのを確認して、クロノを操作しようとするとAボタンもBボタンもまったく押し込めない。つまりクロノグラフのボタンはただの飾り。ダミーというわけ。さすが偽物と妙に感心してしまう。腕につけてみようとラバーベルトの長さを調節して、バックルに固定しようとするがいくらやってもうまくいかない。よく見るとバックルの穴の位置が間違っていて、ラバーベルトの厚みのせいで固定できないようになっている。腕につけるのは諦めて、時計本体をルーペで見てみた。文字盤に数か所の傷を発見。インデックスは白っぽい錆か汚れか、とにかく汚い。黒いベゼルの白い数字もそろっていない。ケースバックの刻印は薄すぎて何と書かれているか肉眼では読み取れない。そんな時計に金を払ったのはバカだったけど、商品が届いたのは良かった。「スーパーコピー」と謳っているものがどのようなレベルのものかわかったので、私は二度と手を出さない。そういう勉強をさせてもらったと思っている。


追記
この時計はけっきょく1週間後に動作がおかしくなり、やがて動かなくなった。メールで返金を申し出ると、「こんにちは どこに壊れました 告知してください よろしくお願いします」という相変わらずの謎メールがあったので、故障状況を伝えたが、その後は何の連絡もない状態である。